「呪詛を受信しました」: 現役記者が描く、女子高生連続不審死の謎

「このミステリーがすごい!」大賞 隠し玉に選ばれた『呪詛を受信しました』は、北海道を舞台に、女子高生が巻き込まれる連続不審死事件を描くミステリー。冷酷で合理的な主人公が、事件の真相に迫るスリリングな展開に注目です。

30
0

「呪詛を受信しました」: 現役記者が描く、女子高生連続不審死の謎

「呪詛を受信しました」は、第22回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉に輝いた、上田春雨さんの作家デビュー作です。舞台は北海道東部の架空の地方都市。主人公の女子高生・湊は、継母との確執からパパ活で生計を立てています。そんな彼女の友人・飛鳥のスマートフォンに、事故死した中学時代の友人・美保から「死ね」というメッセージが届きます。それから間もなく、飛鳥は不慮の死を遂げます。

湊の周囲で起こる不可解な死は、美保の呪いによるものなのでしょうか?それとも、別の陰謀が隠されているのでしょうか?湊は、持ち前の知性と冷徹さを武器に、事件の真相を追いかけます。

本書は、本格ミステリーと超自然ホラーが融合した、異色の作品です。主人公の湊は、現実主義者であり、超自然的な力は信じません。しかし、事件が進むにつれて、彼女は不可解な現象に遭遇し、自身の信念を揺さぶられていきます。

湊は、自身の過去のトラウマや周囲の人間関係と向き合いながら、事件の真相に近づいていきます。その過程で、彼女は自身の心の闇と対峙し、新たな決意をすることになるでしょう。

「呪詛を受信しました」は、読者を最後まで引き込む、予測不能な展開と、深いテーマが魅力の作品です。ぜひ手に取ってみてください。
『呪詛を受信しました』は、ミステリーとホラーが絶妙に融合した、読みごたえのある作品でした。主人公の湊は、冷酷で合理的な人物ですが、過去のトラウマを抱え、どこか脆い部分も持ち合わせています。彼女の複雑な心情描写は、作品に深みを与えています。

事件の真相が明らかになっていくにつれて、湊の過去や人間関係が複雑に絡み合い、物語は予想外の展開へと進んでいきます。読者は、湊と共に事件の謎を解き明かしていくだけでなく、彼女の心の奥底にある真実にも触れることができます。

また、本書は、現代社会におけるSNSや情報過多、孤独といった問題についても考えさせられます。特に、主人公が自身の目的を達成するために手段を選ばない姿は、現代社会における倫理観やモラルについて問いかけています。

『呪詛を受信しました』は、ミステリーとしての面白さだけでなく、現代社会の闇や人間の心の複雑さを描き出した、深みのある作品です。読後には、さまざまな感情が沸き起こる、印象的な作品でした。
出典:株式会社 宝島社

スポンサーリンク

スポンサーリンク

まとめ作者