まひろがついに書き始めた~【源氏物語を知っておきたい】現代の視点で古典を読み解く『ミライの源氏物語』

大河ドラマの影響もあり、再び注目を集める『源氏物語』。現代の視点で古典を読み解く山崎ナオコーラ氏のエッセイ『ミライの源氏物語』が、7刷とロングセラーを記録中。現代人が抱える問題と『源氏物語』の関係に迫る内容が共感を呼んでいます。

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古典×現代!山崎ナオコーラ『ミライの源氏物語』が話題沸騰!

源氏物語をそろそろ知りたい

2023年3月に刊行された山崎ナオコーラ氏の『ミライの源氏物語』が、口コミで話題を呼び、7刷を達成するロングセラーとなっています。本書は、現代社会におけるルッキズム、ロリコン、マザコン、ホモソーシャル、貧困問題、マウンティング、トロフィーワイフ、性暴力、不倫、ジェンダー多様性、エイジズム、出家といった現代的な視点から『源氏物語』を読み解くエッセイです。

『源氏物語』は、古文の読解や当時の倫理観、社会規範の違いから、現代人にとって読みづらい作品とされてきました。しかし、山崎氏は現代人が抱える問題と『源氏物語』の関係に注目し、現代的な視点で古典を読み解くことを提案しています。

例えば、「ルッキズム」というテーマでは、美しい女性である末摘花が、その美貌ゆえに周囲から注目され、羨望と嫉妬の対象となる様子を描写しています。現代社会においても、容姿が重視され、容姿によって優劣がつけられることが問題視されています。山崎氏は、現代と『源氏物語』の共通点を見出し、読者に新たな視点を与えることで、古典への理解を深めています。

さらに本書では、現代語訳も掲載されており、より現代の読者が理解しやすいよう工夫されています。歌人の俵万智氏も「『古典をなぜ読むのか?』という問いに、明快で深い、新しい答えを与えてくれた」と評しており、古典への興味関心を高める一冊として注目されています。
『ミライの源氏物語』は、単に『源氏物語』の内容を解説するだけでなく、現代社会における私たち自身の生きづらさや、人間関係の複雑さ、ジェンダー問題など、普遍的なテーマを浮き彫りにしています。山崎氏は、古典作品を通じて、現代社会の問題を鋭く見抜き、読者に深い考察を促しています。

本書を読んだ私は、平安時代の貴族社会が、現代社会とそれほど変わらないことに驚きました。当時の人々も、私たちと同じように、愛や嫉妬、孤独、葛藤に悩み、社会規範やジェンダーによる不平等に苦しんでいたのです。

『源氏物語』は、時代を超えて、人間の普遍的な感情や社会構造を描いていることを改めて認識させられました。山崎氏の現代的な視点によって、『源氏物語』がより身近に感じられ、現代社会における自身の立ち位置や生き方について考えるきっかけを与えてくれました。

古典作品を現代的な視点で読み解くことで、新たな発見や気づきを得られることを、本書は証明しています。現代社会で生きる私たちにとって、古典は決して遠い存在ではなく、私たちの過去、現在、そして未来を照らす貴重な鏡と言えるでしょう。
出典:株式会社 淡交社
出典:株式会社 淡交社

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まとめ作者