「わたしの苦手なあの子」シリーズの最新作『わたしと話したくないあの子』が、2024年9月4日に発売されました。著者は、累計6万部突破のロングセラー『わたしの苦手なあの子』の朝比奈蓉子さんです。
本作の主人公は、小学6年生の早紀。転校前に大親友だったわかなが、転校後、父親の仕事の失敗により家庭環境が大きく変わってしまい、早紀に「もう関わらないでほしい」と告げてしまいます。
以前のままの早紀には、わかなの気持ちが理解できません。困っているなら助けたいと考えますが、その善意は、わかなを傷つけてしまうことに。環境が変わったら、友だちではいられないのか?友だちとは何か?小学生の等身大の頭で、悩み、答えを見つけていく物語です。
物語は、早紀の心の揺れ動き、わかなの心の葛藤、そして二人の友情がどのように変化していくのかを描いています。周囲の大人がかける言葉も丁寧に描かれており、読者も一緒に悩み、考え、成長できる作品となっています。
『わたしの苦手なあの子』、『わたしの気になるあの子』に続き、ぜひ、同世代の子どもたちに読んでほしい1冊です。
『わたしと話したくないあの子』は、友だち関係の難しさ、そして環境の変化によって変化する人間関係を描いた作品です。大人になっても忘れがちな、純粋な心の揺れ動きが丁寧に描写されており、読み終えた後、じんわりと温かい気持ちになる作品でした。
特に印象に残ったのは、主人公の早紀が、わかなの心の傷に気づき、寄り添うシーンです。早紀の優しさと、わかなの心の痛み、そして二人の友情の深さが伝わってきて、感動しました。
この作品は、子どもだけでなく、大人にとっても、大切なことを教えてくれる作品だと思います。友だちとの関係に悩んでいる子どもたち、そして、大人になった今でも友だちとの関係に悩む人たちに、ぜひ読んでほしい作品です。