2024年07月24日更新
夜と跳ぶ 額賀澪 楽天

Z世代スケボー金メダリストと中年カメラマンの熱い夏!小説『夜と跳ぶ』が描く青春と成長

人気作家・額賀澪が描く最新作『夜と跳ぶ』は、東京五輪スケボー金メダリストと落ち目の中年カメラマンが渋谷で出会い、ぶつかり合いながら絆を深めていく物語。スケボーの魅力と、二人の関係性の変化をリアルに描写した意欲作。

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Z世代スケボー金メダリストと中年カメラマンの熱い夏!小説『夜と跳ぶ』が描く青春と成長

都会の喧騒が渦巻く渋谷を舞台に、若きスケボー金メダリストと中年カメラマンの熱い友情が燃え上がる、青春小説『夜と跳ぶ』がついに発売された。著者は、スポーツ青春小説を得意とする人気作家・額賀澪。

本作の主人公は、東京五輪スケボー金メダリストの少年・大和エイジ。しかし、彼は栄光から姿を消し、次の五輪を目指す気配も見せない。一方、中年カメラマンの与野丈太郎は、不祥事により謹慎中。そんな彼らが、夏の夜に渋谷で出会うことから物語は始まる。

与野は、エイジのスケボーの腕前に魅了されながらも、その消極的な態度にイライラを募らせる。しかし、エイジの滑りへの情熱に触れ、彼のフィルマーを請け負うことになる。

額賀氏は、ボーダーではなく「フィルマー」の視点から物語を展開することで、スケボーの世界を新鮮に描き出している。与野の目を通して、エイジの高度なトリックの数々や、彼を取り巻くストリート文化がリアルに描写される。

物語は、二人の衝突と葛藤、そして友情の芽生えを描いていく。エイジが過去の栄光から逃れようとする姿、与野が仕事と人生の岐路に立つ姿、そして、彼らの絆が深まっていく様子が、渋谷の街並みを背景に力強く描かれている。

本書は、スポーツ小説としての面白さだけでなく、青春の葛藤や成長、友情の大切さなど、普遍的なテーマも扱っている。スケボーに興味がない人でも、登場人物たちの生き様や友情に共感できる作品だ。
『夜と跳ぶ』を読み終えた後、私はしばらく余韻に浸っていた。スケボーの技を駆使する爽快感と、登場人物たちの心の揺れ動きが、鮮やかに私の心に焼き付いた。

特に印象に残ったのは、与野の心の変化だ。彼は最初はエイジの才能に嫉妬し、その態度に反発していた。しかし、エイジのひたむきな努力やスケボーへの情熱に触れるうちに、次第に理解と尊敬の念を抱き始める。与野の成長を通して、私たちも人生における大切な何かを見つけることができるのではないだろうか。

また、エイジが過去の栄光から逃れようとする葛藤も、深く共感できた。成功の後、何をすればいいのか、どのように生きていけばいいのか、多くの人が抱える悩みだろう。エイジは、自分の道を模索し、新たな目標に向かって歩き出す。その姿は、私たちに勇気を与えてくれる。

『夜と跳ぶ』は、単なるスポーツ小説ではない。人生の岐路に立つ人々、過去にとらわれている人々、そして夢を追いかける人々、すべての人に響くメッセージが込められた作品だ。

渋谷の街並みを舞台に、スケボーという青春の象徴を描き、二人の男の友情と成長を描いた本書。ぜひ、手に取ってみてほしい。
出典:株式会社PHP研究所
出典:株式会社PHP研究所

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まとめ作者