戦前、軍国主義が蔓延していた時代に、哲学者・三木清は「幸福の要求」というテーマで、人生のさまざまな側面について深く考察しました。それが、彼の代表作である『人生論ノート』です。本書は、その『人生論ノート』の前半部分を、写真家・大川裕弘氏の写真とともに再構成したものです。
三木清の哲学的な思考は、現代においても色あせることなく、むしろ新鮮な視点を与えてくれます。死、幸福、習慣、虚栄、嫉妬、成功など、普遍的なテーマが、写真と組み合わさり、より深い理解へと導いてくれます。
大川裕弘氏は、広告写真や女性誌を中心に活動してきたベテラン写真家です。彼の繊細で美しい写真は、三木清の言葉に新たな解釈を生み出し、読者の心を深く揺さぶります。
本書は、人生の岐路に立つ人、日々の生活に疑問を感じている人、自分の人生について深く考えたい人におすすめです。三木清の言葉と大川裕弘氏の美しい写真が織りなす、独特の世界観に浸ってみてください。
『人生論ノート』は、難しい哲学書というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、本書は、写真との組み合わせによって、そのイメージを払拭してくれるでしょう。三木清の言葉は、写真によってより深く理解できるようになり、まるで自分がその言葉の風景の中にいるような感覚に陥ります。
特に印象的だったのは、大川裕弘氏の「光と影」を巧みに使った写真です。その写真によって、三木清の言葉が持つ奥行きや深みを感じることができました。
本書を読むことで、人生に対する考え方、自分自身に対する考え方、そして世界に対する見方が変わるかもしれません。ぜひ手に取ってみてください。