「サイボーグ009」誕生60周年!豪華作家陣によるトリビュート小説集が発売

石ノ森章太郎の代表作『サイボーグ009』誕生60周年を記念した、豪華作家陣による書き下ろし小説集『サイボーグ009トリビュート』が7月8日に発売。辻真先、斜線堂有紀、高野史緒など、個性豊かな9人の作家が、それぞれの視点で「サイボーグ009」の世界を描き出す。

131
0

「サイボーグ009」誕生60周年!豪華作家陣によるトリビュート小説集が発売

2024年7月、石ノ森章太郎の傑作SF漫画『サイボーグ009』が誕生60周年を迎える。これを記念して、河出書房新社から豪華執筆陣による小説集『サイボーグ009トリビュート』が刊行される。

収録作品は、辻真先、斜線堂有紀、高野史緒、酉島伝法、池澤春菜、長谷敏司、斧田小夜、藤井太洋、円城塔の9人の作家による書き下ろし。それぞれの作家が、原作の世界観を独自の解釈で膨らませ、新たな物語を生み出している。

中でも注目すべきは、テレビシリーズ第1作のメイン脚本家を務めた辻真先による「平和の戦士は死なず」。同シリーズの名エピソードとして名高い最終回を、辻真先自身がリメイクしている。オリジナル脚本家によるリメイクという点だけでもファン必見だが、さらに、原作漫画の世界観を踏襲しつつ、現代的な視点を取り入れた新たな解釈が加えられている。

他の作品も、原作の魅力を存分に引き出しつつ、それぞれの作家が持ち合わせる個性と創造性を発揮した、まさに「九人の戦鬼」と呼ぶにふさわしい作品群となっている。

例えば、斜線堂有紀は、原作屈指の名作「地下帝国"ヨミ"編」を舞台にした後日譚「アプローズ、アプローズ」を執筆。サイボーグ戦士たちが、それぞれの過去と向き合い、新たな決意を胸に未来へと進んでいく姿が描かれている。

高野史緒は、003=フランソワーズ・アルヌールのバレエ公演にともない、001=イワン・ウイスキーが故郷に帰郷する物語「孤独な耳」を執筆。イワンの過去と、サイボーグ戦士としての葛藤が、繊細な筆致で描かれている。

酉島伝法は、002=ジェット・リンクがサイボーグ戦士となるまでの誕生秘話を描いた「八つの部屋」を執筆。ジェット・リンクの過去と、サイボーグ戦士としての運命が、スリリングな展開で描かれている。

『サイボーグ009トリビュート』は、単なる原作の焼き直しではない。それぞれの作家が、原作へのリスペクトと、自身の創造性を融合させて、新たな「サイボーグ009」の世界を創造している。古参ファンはもちろん、初めて本作の世界に触れる読者にとっても、きっと心をつかまれ、魅了される珠玉のトリビュート作品集となっている。
『サイボーグ009トリビュート』を読了して、改めて「サイボーグ009」という作品の深みと魅力を感じた。

各作家がそれぞれの視点で描く物語は、どれも原作への愛情と深い理解に溢れており、単なるオマージュを超えて、新たな「サイボーグ009」の世界を構築しているように感じられた。

特に印象深かったのは、辻真先による「平和の戦士は死なず」のリメイクだ。オリジナル脚本家によるリメイクということもあり、原作への深い理解と愛情を感じることができた。

また、斜線堂有紀の「アプローズ、アプローズ」は、原作の「地下帝国"ヨミ"編」を舞台にした後日譚であり、サイボーグ戦士たちがそれぞれの過去と向き合い、新たな決意を胸に未来へと進んでいく姿が、非常に感動的だった。

「サイボーグ009」は、時代を超えて愛される作品だが、今回のトリビュート作品集によって、その魅力が改めて再認識された。

各作家の個性あふれる解釈によって、原作の世界観がより一層広がり、深みを増したように感じられた。

「サイボーグ009」ファンはもちろん、SF小説ファン、そして、単に面白い物語を読みたいという人にも、強くオススメしたい作品だ。
出典:河出書房新社
出典:河出書房新社
出典:河出書房新社

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

まとめ作者