「フランダースの犬」は、19世紀末にイギリスの女性作家ウィーダによって書かれた名作小説です。貧しいながらも愛情深く暮らす少年ネルロと、彼の忠実な相棒である犬のパトラッシェの物語は、多くの人々の心を打ってきました。
このたび、1998年に小学館から刊行された『小学館 世界の名作 フランダースの犬』を新たに読み物のかたちに再編集し、『フランダースの犬』(ビジュアル特別版)として世界文化社より7月18日に発売されます。
今回のビジュアル特別版では、児童文学作家の森山京さんが文章を、絵本作家であり画家でもあるいせひでこさんが絵を担当しています。森山京さんは『きいろいばけつ』や『つりばしゆらゆら』などの「きつねのこ」シリーズ(あかね書房)などで知られる、穏やかで心に留まるお話を数多く創作された作家です。いせひでこさんは、絵本作家として数々の傑作を生み出しており、本書の絵は現地取材をもとに描かれています。
森山京さんの文章と、いせひでこさんの絵が織りなすハーモニーは、読者に深い感動を与え、ネルロとパトラッシェの物語をより鮮やかに、より深く、心に響かせるでしょう。
本書には、森山京さんによる作品解説も収録されており、物語のポイントとなるアントワープ聖母大聖堂のルーベンスの2つの絵をカラー写真で掲載しています。初めて「フランダースの犬」を読むお子様や、久しぶりに物語を読んでみたくなった大人の方にも、おすすめの一冊です。
「フランダースの犬」は、世代を超えて愛される不朽の名作ですが、今回のビジュアル特別版は、新たな魅力で読者を魅了する作品と言えるでしょう。
森山京さんの文章は、シンプルながらも深い情感に溢れ、ネルロとパトラッシェの心の機微を見事に描き出しています。いせひでこさんの絵は、美しく繊細で、フランダース地方の風景や、ネルロとパトラッシェの愛情、そして切ない別れを鮮やかに表現しています。
特に、ネルロが夢見たルーベンスの絵に月の光が差し込むシーンは、美しくも切ない印象を与え、読者の心を強く揺さぶるでしょう。
「フランダースの犬」は、悲しみや困難、そして希望を描いた物語ですが、そこには普遍的な愛と友情、そして夢を追いかけることの大切さが描かれています。今回のビジュアル特別版は、改めてその普遍的な価値を感じさせてくれる作品であり、子供だけでなく、大人も心を打たれること間違いなしです。