2024年07月16日更新
上橋菜穂子 香君 文庫化

上橋菜穂子最新作『香君』文庫化!壮大なファンタジーが再び

「守り人」シリーズや「鹿の王」で知られる上橋菜穂子さんの最新作『香君』が、待望の文庫化。全4巻で展開される壮大なファンタジーの世界を、美しい装丁と共に堪能しよう。

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上橋菜穂子最新作『香君』文庫化!壮大なファンタジーが再び

上橋菜穂子さんの最新作『香君』が、文庫版としてついに発売される。単行本は上下巻だったが、文庫版は全4巻に。9月4日に1、2巻が発売され、その後11月6日には3巻、12月4日には4巻が発売される。

『香君』は、奇跡の稲「オアレ稲」によって繁栄を誇るウマール帝国を舞台に、嗅覚に優れた少女アイシャの物語。アイシャは、香りの声を感じながら、周囲の人々や植物、昆虫とのつながりを深く理解している。しかし、オアレ稲に発生した奇妙な虫害が帝国を食糧危機に陥れる。アイシャは、当代香君と共にオアレ稲の謎に迫り、人々を救うため奮闘する。

上橋菜穂子さんは、香りをテーマに、植物や昆虫の生態を壮大なファンタジーの世界に描き出す。人間と自然、そして生命のつながりを深く考えさせられる作品となっている。

上橋菜穂子さんは、この作品について、「香りは目に見えないものですが、私たちの周りには様々な目に見えないものが存在し、複雑なネットワークを形成している」と語る。単行本では上下巻だったものが、文庫版では全4巻となり、春夏秋冬をイメージした美しい装丁が施された。

上橋菜穂子さんは、1989年に『精霊の木』で作家デビュー。代表作に「守り人」シリーズ、『獣の奏者』、『鹿の王』などがある。国際アンデルセン賞作家賞、本屋大賞、日本医療小説大賞など数々の賞を受賞している。
上橋菜穂子さんの作品は、いつも自然と人間の深い繋がり、そして生きることの尊さを教えてくれる。今回の『香君』も、そのテーマを引き継ぎつつ、新たな視点で生命の力強さ、そして脆さを描いていると感じた。特に、アイシャが持つ特別な嗅覚を通して描かれる、香りによるコミュニケーションは興味深かった。目に見えない香りを介して、人間と自然、そして生きとし生けるもの全てが繋がっているという、繊細で壮大な世界観に引き込まれた。

また、オアレ稲という奇跡の稲を軸にした物語は、現代社会における人間の欲望や自然への依存、そして環境問題といったテーマを想起させる。豊かな恵みをもたらす一方、恐ろしい側面も併せ持つオアレ稲は、人間が自然とどう向き合うべきかを問いかけているようにも感じた。

文庫版は、単行本よりもさらに読みやすく、物語の世界に没頭しやすい。美しい装丁も、作品の世界観をより一層引き立ててくれる。上橋菜穂子さんの紡ぎ出す言葉は、読者の心を深く揺さぶり、忘れられない感動を残してくれるだろう。
出典:株式会社文藝春秋
出典:株式会社文藝春秋

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まとめ作者