「お客様は神様ですか? カスハラ奮闘記」は、販売員として働くタジマオオカさんが自身の体験を漫画にしたコミックエッセイです。酔っ払いによる体当たりやセクハラまがいの言動、理不尽なクレーム、暴言など、タジマさんが実際に遭遇したカスハラの数々が赤裸々に描かれています。
本書では、タジマさんがカスハラと向き合い、考え続けた日々が克明に描かれています。上司や会社からは「お客様は神様だ!」と教えられながらも、理不尽な要求や攻撃的な言動に困惑し、恐怖を感じながらも笑顔で対応しなければならない販売員の苦悩がリアルに伝わってきます。
特に印象的なのは、タジマさんがカスハラを受けた際に、上司や会社から適切なサポートを受けられなかったという点です。会社から現場に丸投げされたような状況に疑問を感じ、ついに上司に訴えかけるシーンは、多くの働く人たちの共感を呼ぶでしょう。
本書は、カスハラの実態を浮き彫りにするだけでなく、販売員という仕事の大変さを改めて認識させてくれます。また、カスハラに対する正しい対応や、会社側の責任についても考えさせられる内容となっています。
「お客様は神様ですか? カスハラ奮闘記」を読んだ後、私は販売員の仕事に対する尊敬の念と、カスハラに対する怒りを同時に感じました。タジマオオカさんの漫画は、カスハラを受けたときの恐怖や怒り、そして心の傷がリアルに伝わってきて、胸が締め付けられる思いでした。
本書は、カスハラが単なる「お客様のわがまま」ではなく、働く人にとって深刻な問題であることを改めて認識させてくれます。また、カスハラは、販売員だけでなく、あらゆる職種で起こりうる問題であり、社会全体で解決していく必要があると感じました。
タジマオオカさんは、自身の経験を通してカスハラの問題提起だけでなく、販売員の仕事の大変さややりがいも伝えています。本書を読んで、私たち一人ひとりがカスハラについて考え、周囲の人々に優しく接することの大切さを改めて認識するきっかけになればと思います。