神戸市立王子動物園で暮らしていたパンダのタンタン。その愛らしい姿で「神戸のお嬢さま」と呼ばれ、多くの人々に愛されてきました。しかし、タンタンは日本最高齢のパンダとして、様々な試練を経験してきました。わが子の死、パートナーとの死別、そして飼育員たちとの闘病生活…。
2024年10月23日に発売されるノンフィクション本『パンダのタンタン 二人の飼育員との約束』は、そんなタンタンの28年間の“パン生”を丁寧に紐解いた一冊です。NHK「ごろごろパンダ日記」の番組プロデューサーである杉浦大悟氏が執筆し、タンタンと2人の飼育員の関係性を中心に、タンタンの生涯を描き出します。
本書では、タンタンと2人の飼育員が共に過ごした穏やかな日々、そして突如として訪れた数々の困難、そして2人がタンタンと交わした約束などが語られます。飼育員たちは、動物園で暮らす動物たちの命を預かる責任を強く意識し、タンタンと向き合ってきました。どんな状況でも、タンタンの命を預かっているという覚悟を持って、日々を過ごしたのです。
タンタンと飼育員の関係は、人と動物の深い絆、そして命の大切さを教えてくれます。また、本書は全ページにルビがふってあるため、小さなお子さんから大人まで、幅広い世代の人が読みやすいのも特徴です。
本書の編集担当者は、人と動物の関係性、そして老いること、責任を持って生きものを最後まで看取るということについて、大人も子どもも一緒に考えるきっかけになることを期待しています。
さらに、本書の発売を記念して、タンタンの思い出や書籍の感想を紹介する『みんなのタンタン日記』コーナーも開設されます。タンタンへの想いや本書の感想をSNSで「#みんなのタンタン日記」を付けて投稿すると、公式HPやSNSで紹介されるチャンスがあります。
また、12月20日には、タンタンに密着したNHK「ごろごろパンダ日記」のDVDも発売される予定です。タンタンが神戸で過ごした日々を振り返る感動のドキュメンタリーとなっています。
タンタンの物語は、私たちに多くのことを教えてくれます。動物との触れ合い方、命の尊さ、そして責任ある生き方について、改めて考えさせられる一冊となるでしょう。
『パンダのタンタン 二人の飼育員との約束』は、単なるパンダの物語ではなく、命の尊さ、人と動物の絆、そして責任感といった普遍的なテーマを深く掘り下げた作品だと感じました。
タンタンの28年の生涯は決して平坦なものではありませんでした。パートナーとの別れ、子どもの死産、そして自身の病気と、数々の試練を乗り越えてきました。それでも、タンタンは飼育員たちの愛情に包まれ、穏やかに過ごしていた様子が本書から伝わってきます。
特に印象的だったのは、タンタンと飼育員たちの深い絆です。飼育員たちは、タンタンの健康状態や性格を深く理解し、常に寄り添い、愛情を注いでいました。タンタンもまた、飼育員たちを信頼し、心を開いていたことが、文章や写真から伝わってきました。
この本を通して、動物園で暮らす動物たちが、私たち人間と同様に、喜びや悲しみ、そして様々な感情を抱いていることを改めて認識しました。また、動物たちの命を預かる責任の重大さ、そして動物たちと共存していくことの大切さを痛感しました。
全ページにルビが振られているため、子どもでも読みやすく、家族みんなで読むことができるのも良い点です。大人にとっても、動物との関わり方や、命の大切さについて改めて考えるきっかけになる一冊だと思います。
タンタンの物語は、決して悲しい物語ではありません。それは、タンタンが愛情に包まれ、最期まで大切にされてきたという事実、そしてタンタンと飼育員たちの絆が、私たちに温かい感動と希望を与えてくれる物語だからです。
本書は、タンタンの思い出を語り継ぎ、動物たちへの理解を深めるために、そして命の大切さを改めて認識するために、ぜひ多くの人に読んでほしい作品です。タンタンの物語は、きっと私たちの心に、深く感動と温かい光を灯してくれるでしょう。